もう一つの戦跡
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マヌスでは、ロスネグロス島ロンブルムの戦犯収容所跡を視察した。建物は、かまぼこ型で5棟あったというが、2棟は既に取り壊されており、残る3棟には現地人が居住していた。
現地人の説明によると処刑場跡という処も視察した。現地人数名が出てきて、生い茂る草木を刈り取ってくれた。出てきたのは、特殊な形をしたコンクリート構造物で、素人の我々には、それが何なのか判断はつきかねた。現地人が造った物でないことは確かである。専門家に一度調査して貰う必要を感じた。
BC級戦犯に係る遺跡は、ここ以外では、ラバウルで、伯母山山麓の収容所跡及び処刑場跡、花吹山山麓の埋葬地、田之浦の豪軍事法廷跡などを視察した。これらはいずれも、跡地であり、現に視認できる構造物などは存在しなかった。
そういう意味で、ロンブルムの遺跡は重要だと思う。
私は、戦争犯罪人とは、連合軍から見て、犯罪者なのであって、日本人から見れば、戦争の被害者に違いないと思っている。
これらの遺跡は、もう一つの戦跡なのである。
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