首都の治安


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 パプアニューギニアの首都ポートモレスビーの治安は、年々悪化しているという。
 その原因は、地方の若者が、都会にあこがれ、どんどん集まってくる。ところが、集まるほどに都会に仕事が在るわけではない。そこで、窃盗や強盗が起こり、ついには、暴動に発展する。
 ニューギニアの治安問題は、単に、窃盗・強盗レベルではなく、暴動レベルを考慮しなければならない点に特色があるという。
 暴動が起きて一番先に狙われるのは、ホテル、レストランなど酒を置いている場所だという。酒のある場所は、金持ちの家であり、金持ちが集まる場所であるからと言う。
 ホテルの外周は、有刺鉄線が目立たないように張り巡らされているし、入口の門には守衛が常駐している。
 私たちが昼食によった中華料理店の入口門扉は、高さ3メートルほどの高い鉄格子で、番人が座っており、人の出入り毎に開け閉めをしていた。建物の外周は、まるで倉庫のように窓がない。これは、敷地一杯に家を建て、外壁を作れないので、防護上の構造であろうと考えた。
 治安がよいと言われる、ラバウル、ケビエン、マヌスなど、我々の行動した地方都市でも、ホテル外周の有刺鉄線が見られたし、地方都市にレストランがないこと、ビールを買おうとしても酒屋が容易に見つからないこと、なども暴動レベルの治安対策だと聞いた。

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