1999年上旬


  
さてさて、来た日のうちに難なくトイレも覚え、しばらくは優等生だったきなこ選手ですが、

  眠れる獅子はある日突然に目覚めました。

  最初の餌食はテレビのリモコン。

  あれ・・・?

  なんか手応えが変。

  電源ボタンの出っ張った部分が、
まるで何者かに齧られたように

  根こそぎなくなっていました。


 
 こっ、これは何事?!

  ようく見るとチャンネルボタンも所々かじりかけ。

  そして平静を装う(?)うさぎ



  しまった、コイツは齧歯(げっし)目だった
!(←違います、うさぎ目です)

  この人生初のイタズラが楽しかったのか、この事件を境に物静かなうさぎが
豹変

  ふすまの枠やガラス戸の桟、そして柱をがりがりと齧り、畳やラグを「これでもか」とほりほり。

  やがて古い借家故の絶好のほりほりポイント、
砂壁に目を付けました。



  
「ヤバい、家を壊される!煤i゜□ ゜|||)」



  
私達はホームセンターに急行し、ラビットケージ(お仕置き用)とサークルを購入。

  ありったけの家具とサークルで砂壁をガード!


  
かくして我が家の居間はサークル等で囲われ、「うさぎを放し飼いしている」というよりは、

  「人間がうさぎ小屋に潜伏している」みたいな変な部屋になってしまったのでした。




  
―後日談―

  結局、きなこ特殊工作員は私達の留守中、二度も包囲網を突破し、

  目的のポイント(砂壁)に幅30cm超、奥行5〜6cmの素敵な防空壕を二つ作る

  ミッションに成功しました。

  ほんのり黄色く染まって、全身から土の匂いをぷんぷんさせているうさぎは

  かつてないほどに上機嫌だったという・・・。



  借家を出る時、敷金が少しでも返ってきたのは奇跡だったなぁ・・・


   
大家さん、その節は本当に申し訳御座いませんでした。<(_ _)>

4.白虎、目覚める