2002年


 
 きなこがまだ完全放し飼いだった頃、

  彼女は まさに
やりたい放題の日々を送っていました。

  コタツ布団に穴を開け、畳をむしってふすまを破り、

  ガラス戸の木枠を食べ、砂壁に穴を掘り、柱を齧る。

  
悪逆の限りを尽くす、まさに暴君


 
 コタツ布団に穴を開けるのは許そう。 うちの備品だし。

  畳をむしるのも百歩譲って勘弁してやろう。

  どうせ出て行く時に、大家さんが敷金使って取り替えるんだから。

  砂壁の穴は
・・・もう あいてるんだから今更どーもならん・・・・。(T□T)

  ただね、ガラス戸の木枠や
をこれ以上齧るのは止めてくれ!!


 
 なんとか悪行を止めさせる手立てはないものか・・・。

  
飼育書を見ても「うさぎは犬のようにしつける事はできない」と書いてあります。

  人間がしつけの意味で叱っても、うさぎは「いじめられた」としか感じないかららしい。



      
なんてご都合主義な生き物・・・・。


 
 それでも「齧るのはダメな事だ」と分かってもらいたい!私達の為に!!

 
 そこで、齧り始めたら「こらっ!」って大声を出して叱る事にしました。
 
  カリカリカリカリ・・・

  「こらっ!」

  カリカリカリカリカリ・・・・

  「こらっ!!」


  
不毛なやり取りが永遠に続くかに思われたある日、きなこに劇的な変化が起こりました。



     
カ・・・・・カリッ? 


 
 そう。

  ヤツは
人間の顔色を窺うことを覚えたのです。


 
 「ゆっくり齧ってもダメ!」

  
叱ってやりました。



      2005年5月21日現在
      自分だけの部屋(サークル)を与えられて自由を満喫する彼女は、
      人間の顔色を窺うアビリティーなどすっかり忘れてしまったようです。
      ・・・別にいいけど。

7. きなこ、叱られる