阪神タイガース優勝

〜 黄金時代の幕開けだ 〜


2023年のプロ野球公式戦で、阪神タイガースリーグ優勝した。実に18年ぶりの優勝だ。

今シーズンは、15シーズンぶりに監督に復帰した岡田監督のもと、開幕4連勝という好スタートを切った。
しかし、私は決して楽観はしてなかった。過去、何度も苦い経験をしてきたからだ。

例えば、一昨年2021年も開幕3連勝と開幕ダッシュに成功し、6月には2位に大差をつけて首位を独走し、交流戦終了時点で貯金20を積み上げ、13年ぶりに前半戦を首位で折り返した。
ところが、その後、徐々に勢いを失い、最終的に両リーグ最多の77勝を挙げたのに首位とゲーム差0で2位に終わった
また、2008年も開幕からいきなり首位を独走し、早々に優勝は確実と思われた。2位以下の中日や巨人に10ゲーム以上の差をつけ、タイガース以外はほとんど貯金が無いという異常な状況にまでなった。まさに1強5弱だった。
ところが、8月の北京オリンピックで矢野、新井、藤川の主力が抜けてから失速し、あろうことか最後の最後に巨人に負けてしまい、巨人に逆転優勝されてしまった

こういう過去があるから、今シーズンも序盤から好調だったが、決して油断はしてなかった
その後も、5月には9連勝を含め、球団の月間勝利記録に並ぶ19勝を挙げるなど、好調を続けたが、まだまだ前半戦であり、決して油断はしてなかった。
そして、前半戦を46勝35敗、引き分け3で勝ち越し、2年ぶりに首位で終えたが、たかが貯金11だったので、決して油断はしてなかった。
8月に入っても、高校野球による死のロードにもかかわらず10連勝するなど好調を維持し、16日には早々に優勝へのマジックナンバーが点灯したが、それでも、まだまだ油断はしてなかった。

(石材店)「もう、ええ加減に油断してもええんと違いますか?」
(幹事長)「いやいや、最後まで気は抜けないわな」


そして、9月に入り破竹の11連勝で遂に2005年以来18年ぶりの優勝を成し遂げたのだ。
甲子園球場で決めたのが嬉しいし、なんと言っても巨人に勝って優勝を決めたのが嬉しい

阪神が前回優勝したのは18年前の2005年で、当時チームを率いていたのが岡田監督だった。
前回も優勝したし、今年も久しぶりに復帰していきなり優勝したもんだから、過去の暗黒の歴史をよく知らない若造ファンは「岡田監督ってすごいな」なんて思うかもしれないが、それほどでもない。
優勝した後は、2006年、2007年、2008年と優勝できず、特に2008年は上記のように優勝確実と思われていたのに最後の最後で巨人にひっくり返されたしまったもんだから、その責任を取って辞任したのだ。

阪神タイガースのリーグ優勝は、これで6回目だ。僅か6回目だ。
巨人に次いでプロ野球界で2番目に歴史が古い球団なのに、セントラルリーグの優勝回数が5位と驚異的に少ないし、日本一になったのは1985年の1回だけで、セントラルリーグでは最も少ない。
パシフィックリーグも入れると、楽天も日本一は1回しかないが、球団創設から20年にも満たない若い球団なので仕方ない。
これらの数字を見ると、阪神タイガースが歴史的に驚異的に弱かった事が良く分かる。

今回の優勝は18年ぶりという事で騒がれているが、18年ぶりの優勝なんて、阪神タイガースにとっては珍しくもなんともない
今回(2023年)の優勝は18年ぶりで、その前の2005年の優勝は2年ぶりだったが、その前の2003年の優勝は18年ぶり、その前の1985年の優勝は21年ぶりだった。
大雑把に言うと、だいたい20年に一度しか優勝できないチームだ。

なので、2003年に優勝するまでは、もしかして、もう永遠に優勝なんてできないんじゃないか、なんて思っていた。
「優勝しないのがタイガースの良さじゃ」なんて、多くのタイガースファン同様、居直っていたものだ。
2003年に優勝した後だって、「死ぬまでにあと1回くらいは優勝するかな」なんて思っていた。
それが僅か2年後に再び優勝したもんだから、もしかしたら阪神タイガースの黄金時代がようやく到来したのではないか、なーんて思ったりもした。
ところが、それは大間違いで、それから再び暗黒の時代に入り、18年が過ぎた。
なので、次に優勝するのは再び18年後でもおかしくはない。「死ぬまでにあと1回くらいは優勝して欲しいぞ」なんて思っても自然な事だ。

ただ、岡田監督には期待が持てる
2003年に18年ぶりの奇跡の優勝に導いた星野監督が2002年に就任する前は、10年間で最下位が6回、5位が1回、4位が3回という信じられないような驚愕の記録を打ち立てていた。
さらに、その前に優勝した1985年からの17年間では最下位がなんと10回もあり、Aクラスは2位と3位が1回ずつあっただけだ。
それに比べたら、前回、岡田監督が指揮していた2004年から2008年までの5年間は、優勝1回、2位2回、3位1回、4位1回だから悪くはない。
また、彼が2008年に辞めた後も、この14年間で2位6回、3位3回、4位3回、5位1回、6位1回と、Aクラスが2/3もあるのだから、もう弱小球団とは言えないだろう。
18年間も優勝は無かったが、以前の暗黒時代に比べたら、それほど悪くはない。2位が6回もありながら優勝が無かったのが不思議なほどだ。
もしかしたら、阪神タイガースの黄金時代がようやく到来したのかもしれない。

(石材店)「本気で思ってますか?」
(幹事長)「たかが1回優勝したくらいで黄金時代が来たと思うほどアホではないぞ」


たかが18年ぶりに優勝したくらいで有頂天になっているのは真のタイガースファンではない
年季の入った真のタイガースファンなら、
「これはうたかたの夢であり、調子に乗ってはいけない。今だけは喜んでもいいが、くれぐれもこれで阪神タイガースが常勝球団になったなんて勘違いしてはいけない。そんな勘違いをすると、すぐに奈落の底に蹴落とされる」
って事が分かっているはずだ。

18年前に優勝した時、若い女子を始めとして、にわかファンが雨後の筍のごとく全国各地で湧いてきたが、その後、優勝から遠ざかっている間に、徐々に消え去っていった。
そもそも、若い女子に阪神タイガースの良さが分かるとは思えない。かつての南海や近鉄ほどではないにしても、阪神タイガースはそんなにファッショナブルな球団ではない。泥臭いおっさんの球団だ。
チャラチャラしたにわかファンは巨人に流れて行けば良いんだ。

(石材店)「せっかく阪神が優勝したと言うのに滅茶苦茶言ってますねえ」
(幹事長)「浮ついた風潮に釘を刺しておかねばならんからな」


まことにめでたい阪神タイガースの優勝ではあるが、クライマックスシリーズなんていうおかしな制度があるため、日本シリーズに出られるかどうかは分からない。
過去の阪神タイガースの暗黒の歴史を考えると、日本シリーズには出られない可能性の方が高いと思う。
それでも真のタイガースファンは決して嘆く事なく前を向いて生きていくぞ。

(2023.9.15)



〜おしまい〜





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