タイガース 優勝を逃す

〜 この空しさを どうすればいいのだ? 〜


阪神タイガース優勝を逃してしまった
ま、仕方ない。

(石材店)「熱狂的なタイガースファンの割には、えらく淡々としてますねえ」
(幹事長)「タイガースファンを長年やってると諦めが上手になってのう」
(石材店)「そもそも、この記事が出るのが遅すぎやしませんか?」


リーグ優勝を逃して早や3週間。日本シリーズへの出場をかけたセ・リーグのクライマックスシリーズの第1ステージで中日に早々に負けてからでも早や2週間も経ってしまった。この間、僕は死んだフリをしていた。て言うか、タイガースの優勝が怪しくなった頃から、誰とも野球の話をしないで、ひたすら死んだフリをしていた。いつかタイガースが蘇った時に高笑いができることを熱望しながら、表面的にはおとなしくしていた。そして、そのまま死んでしまい、もうこの話題には触れずにおきたかった。

そもそもやなあ、2003年に18年ぶりの優勝をとげるまでタイガースが優勝できなかったことなんて絶対にニュースにはならなかった。むしろタイガースがAクラスに入れば大ニュースだった。だってその17年のうち、最下位がなんと10回もあり、Aクラスは2位と3位が1回ずつあっただけだもん。
それが2002年に星野監督が就任して僅か2年目で優勝して以来、岡田の1年目の4位を除くと、毎年優勝争いを繰り広げている。なのでタイガースが優勝できなかったことがニュースとなりつつある。これは、まことに喜ばしいことだ。

(石材店)「そうじゃなくって、あれだけ優勝間違いないっていう状況から巨人に逆転優勝されたってことが大問題でしょ?」
(幹事長)「黙れっ、この町民!」


いや、ほんと、この悪夢の大逆転については触れたくなかった。話したくなかった。
今年は開幕からいきなり首位を独走し、早々に優勝は確実と思われた。2位以下の中日や巨人に10ゲーム以上の差をつけ、タイガース以外は、ほとんど貯金が無いという異常な状況にまでなった。まさに1強5弱だった。勝率も2/3という信じられない数字だった。
ところが、8月の北京オリンピックで矢野、新井、藤川の主力が抜けてから失速してしまった。だから北京オリンピックには反対だったんだよ
ただし、そうは言っても、かつて8月の死のロードになるとボロ負けしていたタイガースのように、そんなに負けた訳ではない。8月は初の月間負け越しとはいえ9勝11敗だ。9月も苦しんでいたような印象はあるが、11勝11敗1分けの五分でしのいでいる。貯金はほとんど減ってないのだ
敗因は、タイガースにあるのではなく、アホの巨人にある。一時は最大13ゲーム差もつけていたアホの巨人がキチガイみたいに勝ち続けて追い付かれ、最後の決戦の10月8日に完敗し、141試合目にして首位を陥落したのだ。おまけに、かつてのタイガースのように高校野球より弱いと思われる横浜にすら敗れて2位となったのだ。直接の敗因は、なんといっても後半戦で巨人に連敗を続けたことだろう。このうち1つか2つでも勝っておれば、なんとか逃げ切れたのに。

しかし、まあ、正直に言えば、そもそも今年のタイガースの戦力で優勝しようなんてのが甘いのだ。開幕から快走を続けたってのが、そもそも不思議だったのだ。逆に、金に物を言わせてあれだけの戦力を揃えた巨人が前半戦は面白いように負け続けたってのも、冷静に考えれば不思議だった。知ったかぶりの解説者どもは結果だけ見て好き放題にもっともらしい解説をしていたけど、後からなら誰だってもっともらしい解説はできる。そんなん結果論だ。普通に考えれば、前半戦のタイガースの快進撃と巨人の低迷はあり得ない展開だった。だから、最終的にはつじつまがあったと言えよう。
それに、優勝を逃したとはいえ、82勝59敗で貯金23という成績は、非常に素晴らしいと言える。パ・リーグ優勝の西武なんて76勝64敗の貯金12だぞ。優勝なんてしなくても胸を張って立派な成績だと誇れよう。

(石材店)「要するに悔しいんでしょ?」
(幹事長)「ええーい、黙れ黙れっ、町民めがっ!頭が高いっ!」


おまけに腹立つのは、71勝68敗でギリギリで勝率5割を確保した中日にクライマックスシリーズの第1ステージであっさりと負けたことだ。しかし、これだって当たり前だ。終盤戦の戦いぶりを見ていると、どう考えたってタイガースが気持ちを切り替えて勝てるはずがない。弱い弱い横浜に終盤に惨敗していたことを考えると、クライマックスシリーズで中日に勝てるはずがない。終盤の勢いがそのまま出てしまうクライマックスシリーズなんて明らかに制度的な欠陥だ。あんなん、もう止めてしまえ!

(石材店)「でも、もしクライマックスシリーズで阪神が勝っていれば制度を擁護するんでしょ?」
(幹事長)「当たり前のことを聞くな」


なんにせよ、タイガースは後半戦に、ほんとーに情けない戦いぶりを晒してくれたものだ。空しくて声も出ない。これが逆に、前半は低迷していても後半戦に盛り返したのなら、仮に2位に終わったとしても満足するだろう。ましてや、今年のアホ巨人のように後半戦に奇跡的な挽回を果たして優勝なんかしちゃえば、狂喜乱舞の嵐だわなあ。

さて、独走状態から優勝を逃した責任を感じた岡田監督が辞任した。あれだけのゲーム差をひっくり返された終盤の情けない戦いぶりを見れば、辞めても仕方ないと思いたくもなるけど、前半戦の異常な勝ちっぷりとか、最終的な82勝59敗貯金23という成績を見れば、決して辞任しなければならないような成績ではない。しかも、あの戦力でこの成績を残したんだから立派なものだ。

(石材店)「じゃあ幹事長は岡田監督を擁護するんですね」
(幹事長)「いえいえ、岡田監督は、正直言って、どうでもええです」


岡田監督は、それまでの10年間で最下位が6回、5位が1回、4位が3回という信じられないような輝かしい記録を打ち立てた阪神タイガースを、18年振りという奇跡の優勝に導いた偉大なる星野監督が、体調不良により突然引退した跡をついで就任した。その後の成績は、優勝争いの常連になったのだから、決して悪くはないけど、それは星野前監督の遺産とも言えるものであり、岡田のぼんの手腕と言えるかどうか疑問だ。悪くはないけど、特によくもない、ってのが印象だ。だから岡田が辞めて真弓が新監督になるってのは、悪くはないぞ。岡田よりは真弓の方が、なんとなく面白そうだ

(石材店)「ところで、話は変わりますが、WBCの監督騒ぎは、どう思いますか?
      星野がはずされて残念じゃないですか?」
(幹事長)「いやいや、星野だけは絶対にあかんと思ってたよ」
(石材店)「タイガース再建の貢献者なのに?」


確かに星野監督はタイガースの救世主だった。ヘタに人気があるだけに万年最下位でも安住してしまい、ぬるま湯の泥沼化していた阪神を、圧倒的な存在感で建て直した神様だ。特に、現役時代から闘争心を前面に出した巨人キラーとしての心意気が阪神タイガースを蘇らせた。(岡田監督は、この点が弱かった。巨人にだけは負けてはいけないのだ)
星野監督の手腕は、戦力の補強や育成だけではなく、「グラウンドで起きたことの全責任を監督が負う」という強力な牽引力が、万年Bクラスのチーム意識を変え、選手に自信を植え付けた事が大きい。

ただし、それは巨人を目の敵とするタイガースの監督として必要な要素であって、全日本の監督として相応しいかどうかとは全く別だ。何がなんでもアホの巨人を倒すべくキチガイのように戦う姿勢は、タイガースには必要だったけど、世界を相手に全日本の監督として戦うには発想の転換が必要だ。もっと冷静に相手の戦力や戦い方を分析し、理性で戦う姿勢が必要だ。それなのに北京オリンピックでの星野の采配ぶりは、ひどかった。石井を除く日本柔道男子のように、世界の戦い方を知らない無様な負けを続けた

柔道石井慧は、日本男子ではただ一人、世界の柔道の流れを身をもって学び、見事に最重量級で優勝した石井以外の日本柔道の男子は、昔ながらのきれいな勝ち方にこだわって、あっさりと負け続けた。きれいな勝ち方にこだわったと言えば聞こえがいいが、要するに昔ながらの一本勝ちに惰性で執着していただけだ。世界の柔道の流れが進歩と呼べるものなのかどうかは議論が分かれるだろう。ただ、進歩なのか後退なのかは別として、どんどん変貌している事だけは確かだ。そしてそれに合わせなければ勝つことなんてできない。柔道は昔ながらの日本柔道を離れて世界中の格闘技を吸収しながら変貌しているのだ。そんな世界的な柔道が嫌いなら、世界で戦うのは止めて、日本国内だけでしみじみとやっていればいい。オリンピックなんか出なければいいのだ。世界で勝ちたいのなら、日本の枠を破らなければならない。日本は柔道の本家本元だが、今や、決して柔道の本流ではない。柔道の本場はヨーロッパだ。人口が日本の半分しかいないフランスの柔道人口は、日本の柔道人口の2倍もいるのだ。

(石材店)「話がすっかり柔道になってますが」
(幹事長)「おおっと、すまんすまん」


柔道と同じく、北京オリンピックでの星野の戦い方は目を覆うばかりの惨憺たるものだった。あんなんでは、いくら選手を入れ替えてもWBCで勝てるわけがない。星野は、審判の質が悪いとか文句ばっかり言ってたけど、それはどこのチームも平等だ。あからさまなホーム有利のサッカーやボクシングでは、そんな言い訳は通用しないぞ。

そんな星野の監督就任が出来レースになっていたから、一時は絶望的な気持ちになっていた。ところがイチローが反対の声を上げ、野村が愚痴をこぼし、最終的に星野が自分から辞退した。誠に喜ばしい限りだ。

(石材店)「よかったんだ」
(幹事長)「しかし、だからと言って、なにも原を選ばなくても」


星野が去って原だなんて、まさに一難さって、また一難だ。こら一体どういう事なんだ?結局は出来レースなのか?やる気まんまんの野村は陰気だから嫌いだけど、原だったら、まだ落合だろう?原とか岡田は使いもんにならんだろう?

(2008.10.29)



〜おしまい〜





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